法律家の男女比率

先日,弁護士の一斉登録のことをブログに投稿しましたが,裁判官と検事についても今月22日付で辞令が下されたそうです。

そのニュースの中で私は,新任検事74人のうち29人,つまり約4割が女性であるという点に特に大きな興味をもちました。

そもそも,司法試験における女性合格者の比率はおおよそ25パーセント程度だといわれています。それと比べると,新任検事の女性比率が4割というのは,比率としてかなり高いという印象です。やはり,安倍首相が力を入れている女性の社会進出を反映しての結果ではないかと思います。ただ,そのような政策的な考えを置いておいても,女性の法律家が増えることは好ましいことであると思います。

まず,今回多数の女性が採用された検事に関して考えると,検事が取り扱う刑事事件の中には性犯罪というナイーブな類のものがあります。

一般に刑事事件においては被害者は,犯罪捜査の段階では事情の聴き取りもされますし,場合によっては裁判で証言もしなければいけないなど,心身に重い負担を強いられます。それが性犯罪の被害者ともなれば,男性には話したくないことも多いはずですし,二次被害の危険も少なくありません。

そのため,女性の検事を増やし,そこに性犯罪の事件を配点することは,被害者への安心や法律家への信頼確保の視点からは非常に好ましいことだと思います。

 

他方,弁護士についてみると,2014年版の弁護士白書によれば,弁護士の女性比率は約18パーセント(鹿児島は約12.5パーセント)と,かなり男性の数が多い状態となっています。実際,私自身も日々の業務でもその比率を実感する日々を送っております。

たとえば,弁護士がよく受ける相談の一つに離婚相談があります。相談を希望する方は一般市民の皆様ですから,基本的に男女比はほぼ同じであり大きな偏りはないはずです。そうすると,相談相手の弁護士は男性の方が多いわけですから,女性が男性の弁護士に相談をするということが多く発生します。

しかし,離婚という問題も相談内容にナイーブなトピック(たとえば異性関係の遍歴など)を多く含んでいるため,相談者側の視点に立てばできれば女性の弁護士に相談をしたいという希望はあると思います。

その意味で,一般の市民の皆様にとって利用しやすい司法アクセスを目指す見地から,女性の法律家の増加は社会的にも求められている事柄です。

もっとも,先ほども述べたとおり,実際問題として依然として法曹は男性の割合が圧倒的に高いままですし,そもそも法曹の資格の前提となる司法試験において女性の合格者の割合が25パーセントに止まっています(その理由はそれなりの理由があると思いますが,別の機会に考えを述べられればと思います。)。このような状況下では直ちに女性法律家の増加を期待することは困難と思われます。

そこで,私たち男性側の法律家が,以上の現状を踏まえた上で,極力女性側の気持ちに配慮した対応を心がけなければなりません。

たとえば,離婚相談において夫の暴言や育児への非協力について相談される方がいらっしゃったとします。そのような場合,男性弁護士は時として同じ男性である夫側の視点に立って「ご主人が怒るの事情がある。」,「あなたを怒るのは愛情があるからだ。」とか,「ご主人も仕事で忙しいのだから育児まで無理に協力させてはいけない。」などと言ってしまいがちです。

しかし,このような回答は相談者側からすれば勇気を出して相談したにもかかわらず,相手方の味方をされたと捉えてしまい,相談者をひどく失望させてしまいます。

男性側弁護士に必要な態度とは,まず相談者に全てを話してもらうようお願いをする。そして,実際に話したいことを全て話し終えるまで弁護士側からは何もアドバイスを出さないという姿勢,つまり相談者の全てを受容する姿勢を示すことだと思います。

このような対応を心がけて相談者の方々に自分の話を聞いてくれるという実感をもってもらうことで,相談者の方々は性別を問わずに私たち弁護士を信頼してくださると考えています。

 

私が活動する霧島市はまだまだ弁護士の人数も少なく,市民の側から弁護士を選べるという状況にはありません。そのため,以上の心がけはその他の地方に比較しても強く求められているはずです。

私自身,霧島市の弁護士の一人として,市民の皆様一人一人からの信頼を得られるよう,常に相談者側の視線はどこにあるのかを自問自答して以上の対応を心がけて参りたいと思います。

弁護士の一斉登録を迎えて

本日になって知ったことですが,今月の16日に司法修習生の卒業試験に当たる2回試験の結果が発表され,18日付けで一斉に弁護士として新規登録がされたそうです。

「司法修習生」や「2回試験」について耳慣れない方が多いと思いますので,ごく簡単に説明いたします。

「司法修習生」とは,司法試験合格後に法曹三者といわれる裁判官,検察官,弁護士となるために必要な実務上の知識を得るための見習い学生みたいなものです。この司法修習生は,最高裁判所から任命され,身分は国家公務員に準じ,在任中は1日24時間365日,修習に専念して勉学に励むことが求められます。そのため,司法修習生はアルバイトなどで収入を得ることはほとんど認められていません。その代わりということで,私が司法修習生だったときまでは国から大卒公務員の初任給と同程度の給与をいただいていました(現在は貸与制となっています。)。

このような制度を設けている理由は,司法試験がペーパーテストで法律の知識や理解力を試すものであることから,この試験に合格しただけではプロの法律家として実際に法律を扱えるだけの能力が備わっていないため,ある程度時間をかけて(現在は1年間です。)集中的に実務の知恵を叩き込む必要があるという考えがあるためです。

次に,「2回試験」とは,司法修習生にとっての卒業試験みたいなものです。この試験を通過することで初めて弁護士などの法曹三者となることが許されます。司法試験に続いて2回目に受ける試験ということから,この名称が使われています。

合格率は大体95パーセント以上です。

これだけ聞くとずいぶん楽な試験みたいに思われます。しかし,この試験の受験生は司法試験をくぐり抜けた猛者たちだけの上,大概の修習生はこの試験を受ける時点で就職活動を終えて内定をもらっているため,絶対に落ちることができないという意味で合格率以上の割にプレッシャーの大きい試験となっています。

今年の受験生は2015名で,合格者は1973名だったそうです。今回合格できなかった方々はさぞかし無念であったと思いますが,来年での挽回を心より願っております。

他方,合格者は18日付で就職先に就職したことになります。一部は裁判官や検察官として任用されているはずですが,残りの1000名超の方々は弁護士に登録しているはずであり,私たちが活動している鹿児島でも10名を超える新弁護士が誕生したと思われます。

かつて,司法試験の合格者が500名だけしかいなかったことからすれば,鹿児島にも弁護士が増えたことは時代の変化を感じており,歓迎すべきことだと考えています。

しかし,鹿児島で弁護士登録をされた方々も,そのほとんどは県庁所在地である鹿児島市の事務所で活動をするにとどまっており,未だそれ以外の地域で活動を始めようという状態にはなっておりません。現に,私がいる霧島市においても,住民数は10万人を越えるにもかかわらず,そこで活動している弁護士数は私を含めてもヒト桁に止まっています。

私自身,弁護士増員時代の司法試験に合格し,弁護士となって3年目にしてようやく鹿児島市外で活動し始めた立場であるため大きなことは言えませんが,弁護士の数だけ増えてもなかなか県庁所在地の外に出て行くという目立った傾向は今のところ生まれていないようです。

最近では現在の弁護士数の急増が議論となっているようですが,私自身の感想としては,現在の状況で弁護士サイドがいくら弁護士数の増加の弊害を訴えたとしても,実際に地域での弁護士活動が活発となっていないのであれば,国民サイドからの支持は得られないと考えています。

特に,私が霧島市で活動を始めて以来,弁護士に相談できたこと自体を喜ばれる方々を見ていると,弁護士サイドから国民側に働きかけることで法曹需要を発掘する余地は大きいのではないかと思います。そのためには,まずもって私を含めた弁護士一人一人が,依頼者の皆様が抱えている悩みに真摯に耳を傾けて追体験をすることで,悩みの本質に迫ろうとすることが必要であると考えています。

現在の弁護士増の傾向からすれば,鹿児島や霧島市内にも今後弁護士が増えていくことで,より多くの国民の皆様の声が聞こえるようになると思います。そして,そのような弁護士増の傾向が世論的に許容される限り,弁護士側も国民側の目線に立って,弁護士に対して何を求めているのか,弁護士としてそれにどのように応えなければならないのかを問答しなければならないと考えています。

当地で活動を始めた私自身,霧島市において活動する一弁護士として極めて微力ながら,国民の皆様のために何ができるのか,あるいは,何をすべきなのかを日々自問自答して活動して参りたいと思います。

弁護士に相談するということ

当ホームページでも何回か書いてあるとおり,当事務所が置かれている鹿児島県霧島市の国分は私自身の出身地であり,私は学生時代を除いた約20年間は旧国分市圏内で生活しています。そして,当所において私が当事務所を開設してから約2か月が経ちました。

そこで活動する中で私が抱いた印象は,いかに皆様が弁護士に相談することについて困難を感じているのかということです。

私も弁護士の端くれとして,当事務所を開設してからこれまでの間に数名の方から法律相談を受けています。その中で異口同音に言われる悩みとは,自分の抱えている悩みを弁護士に相談していいのか分からないというものです。

その理由をたずねますと,法律とは関係ない相談をして弁護士に時間をとらせることが申し訳ないという思いがあったり,あるいは,こんな簡単な法律をどうして知らないんだと言われるのが怖かったという気持ちがあったりするからとのことでした。

しかし,相談を受ける側の私からすると,「だからこそ私たちに相談をしてほしい。」と考えています。

弁護士は医師と比較されることが多い仕事ですが,例えば,自分の体調が悪いとして病院に行こうというときに,自分の体のどの部分にどういう症状があって,どういう病名があるのかを調べてから病院に行くという方はいないはずです。体調が悪ければとりあえず病院に行って医師から診断をうけるはずです。

それが,法律事務所に行く場合には,自分がもっている悩みが法律問題なのか,そうでないのかということで悩んでしまう。その結果,相談に来るまでに非常に時間がかかってしまうということが少なくありません。なぜそのようなことになってしまうのかと考えると,その原因の一つにはやはり自分たちの日常の行動範囲の中で法律事務所や弁護士というものが目に入らないからだと思っています。

病院については,普段の生活の中で近くにどのような診療科があって,どのような先生がいるのかというのが分かります。しかし,霧島市での法律事務所は総数でも10を下回る数しかありません。このような法律事務所の絶対数の少なさが,弁護士の存在を縁遠くして敷居を高くしてしまう原因の一つだと思います。

もう一つの原因は,弁護士自身,相談者の悩みを理解しようという意欲に不足している,あるいは無意識的に依頼者に意見を言わせまいという空気が出ているからではないかと考えています。

なぜ,弁護士がそのような姿勢になってしまうのか,現在私自身も色々考えていますが,この場で書くにはスペースが足りないため,また別の機会を設けて考察したいと思います。

とにもかくにも,普段の生活の中で弁護士に相談したいことや聞いてほしいことがあれば,主治医の先生の所へ行く感覚でまずは私に相談してほしいと思っています。

もちろん,私は相談を受けた全てに満足をいただける回答ができるほどの万能な人物ではありませんが,皆様から悩みを聞かせていただくことで少しでもその後の人生に役に経つことができれば,私自身の弁護士としての本懐であると考えています。

はじめまして

初めまして。私は当事務所の弁護士の溝延祐樹と申します。

このたびは当事務所をご覧頂き誠にありがとうございます。

当事務所は,鹿児島県の一地区である霧島市に所在し,鹿児島県全域を中心に活動しています。

事務所紹介でも述べましたとおり,近年は司法制度改革により弁護士が増員されました。しかし,実際にはまだまだ弁護士という存在を知らないまま悩みを抱えて誰にも相談できないという方々が多くいらっしゃるように思います。

私は,そのような悩みをもつ方々にとって身近に寄り添える弁護士の1人として,少しでも皆様の助けになりたいと思いから,このたび当事務所を設立するとともに,ホームページを開設しました。「国分隼人法律事務所」の名称も,分かりやすく親しみやすい名前にしようという思いから付けたものです。

まだまだ未完成なホームページですが,今後随時更新してより見やすいものにしていきたいと思います。

また,当ブログについても,日々考えたことや皆様にお役に立てる情報を提供したいと思っていますので,よろしくお願いいたします。